ちょっと難しいサイディングのはなし!!

サイディング
「サイディングボード」とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんね。
タイル模様や石目模様など様々な模様が付いた板で、家を建てる際に家の外壁に張っていく板の事です。

昔で言う「羽目板」のようなもので、窯業系(ようぎょうけい)金属系、樹脂系などがありますが、現在、新築の場合、戸建住宅の7割以上では窯業系サイディングが採用されていると言われています。
 

塗装に適さないサイディングボードがあります。

窯業系サイディングとは、セメント質材料+繊維質原料+混和材を混ぜ高温、高圧で板状に形成した外壁材の事です。
法律で禁止される2004年頃まではアスベスト含有の商品であり、アスベストの代わりの繊維に切り替わる過渡期の頃の商品(1985年~1992年頃)は一部、湿乾収縮率が大きく、品質の低下、問題があるものも存在し、又1998年以前の新築のサイディングボードには一部、伸縮率が大きく「割れ」の多いものも存在し、塗装する事が適さない商品があります。

塗り替えが難しいサイディングボードがあります。

モルタル塗り外壁のように左官屋さんを必要とせず、工期の速い乾式工法として、大工さんが施工できる商品として広く採用されるようになった経緯のあるサイディングボードは、現在、高耐候、高機能の塗膜を施す事により、より一層付加価値を高めて販売されています。

工場生産の為、安定した防火性能と、プレス技術、プリント技術の飛躍的な進化により多彩な凹凸模様、デザインの多様さがある現在のサイディングボードでは、塗り替えの際、意匠性を損なわないよう、塗装もおのずとクリアー塗装となってきます。
しかし、光触媒、フッ素塗料、無機系塗料など工場にて塗装、コーティング材が施されている高意匠サイディングボードは、塗り替えの際に塗料の付着性が十分に確保できない恐れがあるので、塗装材の選定が難しく、気を付けなければいけません。

窯業サイディングボードは水に弱い

窯業サイディング
窯業サイディングボードは木のように、水(湿気)を吸うと伸び、乾燥すると縮む特性があります。
もともとセメント系の為、水分を吸水しやすく、3メートル程度の商品で3~10㎜程度の伸縮があります。
又伸び縮みを繰り返すと、最終的には必ず3~5㎜程度縮んでいきます。サイディングボードを止めている釘廻りの割れや、基板の割れ、目地シール材の目地切れ、表面の剥離などとあいまって、より水分を吸収しやすくなり、劣化が進行します。
したがって、サイディングボードのメンテナンスでは、旧塗膜、シーリング材の機能が著しく低下する前に適切な塗装を行い水分の進入を抑え、湿乾伸縮をできるだけ防ぐ事が最重要になります。 ※図資料 一般社団法人木造塗装リフォーム協会提供

サイディングボードの施工方法

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図1(直張り工法)

※一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会提供


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図2 (通気構法)

※一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会提供


現在、サイディングボードの施工は、2000年4月(平成12年)品確法の標準工法として採用された、外壁通気構法が一般的ですが、罰則規定が無いため、未だ直張りしているところも見かけます。
当社でも外壁診断の際に拝見させて頂いく中で、窯業系サイディングの表面に問題が多いのも、この直張り工法のお宅です。
図1のように直張り工法は、窯業系サイディングのすぐ裏に防水紙が密着している工法です。防水紙が密着している為、サイディングボードが吸水した湿気、外部より入ってくる水分などが逃げ場をなくし、未塗装のサイディングボードの裏から吸水されていきます。ボード内が湿潤状態になり、ボード表面の塗膜の剥離(ハクリ)、膨れ(フクレ)をおこす大きな原因となります。又このような状態ですと乾燥、収縮の差が激しく、劣化が早いため、寿命も短くなります。

図2の通気構法の場合は、サイディングボードと防水紙に間に通気層(12~15㎜以上)という隙間があり、一時的に多少の水分の浸透があったとしても、乾燥した状態を保つことができます。
しかしながら、サイディング施工事体は通気工法でも土台水切り部の隙間が無い!軒、棟の換気などとの空気の流れの確保ができていない!など空気層が分断されている場合も見受けられるため、しっかりと診断し、適切に対処する事が建物の寿命を延ばす事につながります。

雨樋の取付位置

雨樋 良くない取付け位置

 写真1(良くない取付け位置)


雨樋 正しい取付け位置

 写真2(正しい取付け位置)


サイディングボード
サイディングボード
雨樋の取付け位置にも要注意です。
「写真1」のようになっているお宅もかなり見受けられますが、メーカーでも「禁止事項」となっています。

「写真1」のような取付け位置では、壁内に雨水が侵入する可能性が非常に高くなります。
結果サイディングボード裏や構造材まで水分がまわってしまう事になります。

又塗装工事の際に、サイディングの目地シールを打ち替える必要性があるにも関わらず、雨樋を脱着している塗装屋さんもほとんどみかけません。サイディングボードの継ぎ目であるシール材をいったいどのように打ち替えているのでしょうか?
正しい位置に設置しなおす事が適切な処置となります。

劣化の著しい直貼り工法

劣化の著しい直貼り工法

上記の「例」などからハクリ、フクレ、割れなど目視で解るほど、「劣化の著しい直貼り工法」の場合、塗装工事では不適切なため、サイディングを通気工法にて貼りなおす事が必要です。又サイディング以外で、屋根なども劣化の状況により再塗装が無理な場合があります。仮に塗装してもすぐに不具合を起こして建物に悪影響を及ぼしてしまうような事になっては、無駄に高い買い物になってしまいます。

日々技術、工法、材料などの進歩があり、又それらはすべてに於いて万能ではないため、次々に新しい問題点も出てきます。建物は一戸一戸別物です。「様々な劣化現象」に対して、工法の選定から塗料の選定など、確かな「目」で建物の「今」をシッカリ点検する事は非常に意義のある事だと思います。

まずは「劣化診断のプロ」にご自宅の「今」を見てもらいませんか?

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